太い眉の男性の顔を「夢男」「This Man」として見たことがあるかもしれません。「夢に出ると死ぬ」「見た人に不幸が起こる」といった噂を読むと、眠るのが怖くなることもあります。
この顔を見たことや、似た人物を夢で見たことだけで、死や災いが起こると判断できる根拠はありません。怖さを感じることと、噂が事実であることを分け、出典から確認してみましょう。
「This Man」の発信サイトは、何を語っている?
thisman.orgは、2006年にニューヨークの精神科医の患者が夢で見た男性を描き、別の患者も同じ顔を認めたという筋書きを掲載しています。世界の多くの人がその男性を夢で見た、という主張もあります。
ここで確かめられるのは、サイトにそのような話が書かれていることです。実際に独立した人々が同じ顔を見たという臨床研究や、未来を予知する能力の証明として、そのまま受け取ることはできません。サイトの物語に出てくる年と、ウェブサイトが公開された年も同じとは限りません。
参考:thisman.org(都市伝説の発信サイト。記載内容を事実確認済みの研究として扱うものではありません)
訂正報道から、話の受け止め方を見直す
VICEは2015年に、自社の夢男の記事を作り話として訂正し、Andrea Natella氏の企画だと説明しました。
このように、話を紹介した媒体自身が訂正している場合は、元の記事だけでなく訂正も読んで判断することが大切です。有名な媒体が掲載したことや、何度も見かけることだけでは、夢を共有する超自然的な現象が確かめられたことにはなりません。
夢に出たら、不幸になる?
怖い夢を見た後に嫌な出来事があると、二つを結びつけたくなることがあります。ただし、夢を見た後に何かが起きたという順番だけでは、夢が原因だとは言えません。
「死ぬ」「守護者からの警告」「特別な能力が目覚める」といった異なる解釈が並んでいても、どれかを必ず選ぶ必要はありません。夢の人物の眉や表情だけで、本人の心の病気、人格、抑圧された欲求を診断することもできません。
体験を残したいなら、見た内容と、目覚めた後に感じたことを別に書いてみましょう。思い出せない部分を、ネットの顔や物語に合わせて埋める必要はありません。
怖くなったときは、噂から少し離れる
- 同じ画像や恐怖体験のまとめを繰り返し見るのをいったんやめる。
- 今いる場所や時間を確認し、落ち着いて普段の準備に戻る。
- 不安を一人で抱えず、信頼できる人に「噂を読んで怖くなった」と伝える。
- 眠れない状態が続いたり、生活に支障が出たりしたら、医療機関に相談する。
眠れないときの生活上の工夫については、NHSの不眠の案内も参考になります。夢男を見たかどうかを調べ続けたり、除霊を受けなければ眠れないと考えたりする必要はありません。
都市伝説の体験談を読むための三つの確認
第一に、誰のどの記録なのかを確かめます。「多くの証言がある」と書かれていても、元の報告が分からなければ人数や内容は確認できません。第二に、後から訂正や補足が出ていないかを見ます。第三に、事実、語り手の推測、物語としての設定を分けます。
都市伝説は、怖い物語やネット上の文化として楽しめます。ただし、その物語を自分の未来の宣告として受け取る必要はありません。不思議な体験の判断については、スピリチュアルは本当か、という記事でも、体験と検証できる主張を分けて考えています。


